前編①の記事はコチラ
海苔作りの一年とは?
夏🎐→ 海苔を養殖し、取るための海苔簀や、海苔網などの道具の準備をします。
秋🍁→ 海に海苔網の支柱を立て、漁場や養殖の準備に入ります。千葉の漁場に海苔網を持って行き、”種付け”といわれる海苔の胞子付けを行います。
冬⛄→ いよいよ海苔の収穫時期。12月中旬の寒い季節の中、海苔船から網にくっついている生海苔を取ります。滑るので、凍えそうななか、素手で取ります!
そして海から取ってきた生海苔は、次の日の早朝から干して乾海苔にするため、夜中の間に海苔づくりがスタートします。機械で作られていますが、お茶と同じように、昔はすべて手作業での海苔づくりでした。手揉み茶を作るように、今回は自分たちの手で「海苔付け」を体験します!
↓今回は千葉と宮城の生海苔を使います。▇▇▇
- 海中で養殖される海苔の様子
- 専用の海苔切り包丁で生海苔を刻みます。
- 進化形の飛行機ぼうちょう。作業がちょっと楽です
- さらに刃が増えた海苔切り包丁
- チョッパーでさらにミンチ状に海苔を裁断する機械にかけます。下からドロドロの海苔が出てきます。
- 水に溶いた海苔を準備。いよいよ海苔付けします。
- 水で薄めた海苔を重箱といわれる升ですくって、つけ枠に流し入れます
- 海苔簾に一枚一枚貼り付けていきます。一定のリズムで流し入れないときれいに成形できません。
- 職人さんは1時間300枚ほど作るとか!
- 海苔簀にくっついた海苔を乾燥させます
- 脱水機にかけられます
- 専用の干す枠にセットし、外へ
- 午前7時~午後1時に干す作業をします。
- 両面きれいに乾くように直射日光にはあてません
- 裏乾しします。
- 乾いた海苔をコンロであぶってみます。
- 海苔は焼くと色が変わり、磯の匂いが漂います。
今回はコロナ感染予防のため、できあがった海苔の試食はできませんでしたが、できあがった乾海苔を即席でコンロであぶる(海苔焼き)と、赤黒い海苔が、黒緑色に変化し、パリッと、磯の匂いが漂いました。口にいれ、唾液で湿らすことにより香りが口いっぱいに広がるのです。
昭和10年頃~30年頃にかけて道具がどんどん便利になり、たくさんの海苔を生産することができるようになりました。お茶も収穫したら酸化を止め、鮮度や香りを失わせないようにすぐに加工するのと同じように、海苔づくりも夜中から作業が開始されるそうです。海苔付け場では海から取ってきたのりを女性👩が切って、男性👨が枠にのりを入れる海苔付け作業をしていました。均一に流仕込まないと、海苔の形や、薄さが変わってしまうため、この海苔付け体験はなかなか難しかったです。
続いて展示コーナーです。↓約50年以上前に使われていた海苔養殖の道具(重要有形民俗文化財)がたくさんあります。
- 明治10年3代歌川広重の「武蔵国浅草のり製図」
- 昔の海苔養殖に使っていた振り棒と海苔げた
- 海苔げたを履いて海中で作業します。
- 海苔づくりの年表
- プロの職人の海苔つけの様子①
- 海苔付け②
- 海苔付け③
- 海苔付け④
- 海苔げたと振り棒
- 海苔付け流し台
- 海苔採りのザル類
- 養殖用の網
- 茶箱?!と思いきや海苔を入れる保存用の海苔箱です
- 当時のものが展示されています。
- 展示されていた大きな船は「のり船」で小さな船は「ベカブネ」といいます。ベカブネに乗って海苔を取っていました。
海苔は寒くなるとよく育ちます。冷たい北風がふく中❆、海の中に手を入れて海苔をとるのは大変な仕事でした。江戸時代中期には、海苔げたという高い下駄を履き、海の浅瀬に竹ヒビを立てて、海苔を養殖していました。昭和20年以降には竹ヒビにかわり、海苔網が主流になりました。伝統の海苔づくりや、養殖の歴史を学ぶ体験学習を通して、普段私たちが食べている海苔がどのように作られているのかを垣間見ることができました。
海苔もお茶と同じように自然から生まれる生産物とともに、生産される地域の特色や、つくる人の努力により、おいしくて高品質なものができあがります。日本食には欠かせない海苔、時代とともに、生産の方法の変化も学ぶことが出来ました。
こちらの海苔のふるさと館は小学生でも楽しめるので、ご家族での見学もおすすめです。
狭山園の海苔は千葉の老舗海苔屋さんから仕入れています。人気の風味海苔(明太子、わさび、ゆず、しそ、塩コーン、味)シリーズからご家庭用、お弁当、色々使える海苔も沢山そろえています。京都かじの の瓶入おかず海苔もぜひお試し下さい。