2021/10/17 瑞穂町郷土資料館 けやき館 https://www.mizuhokyodo.jp/
温故知新の会 ~東京狭山茶 手もみ実演見学会〜
焙炉を使った手もみ茶の実演を見学しました。実演は、全国手もみ製茶技術大会で入賞経験のある、東京狭山茶手もみ保存会の方が行います。
東京狭山茶の製法は1800年頃に地元の先人が考案し、それを近隣農家に広め、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と謳われるほどの三大銘茶にまでなりました。戦後に機械加工の茶が普及するまでは、各農家に焙炉(ホイロ)が設置してあり手揉み茶を作成していました。現在のお茶を加工する機械はこの手もみ技法を再現したものと言われます。
実演会では電気式の焙炉が3台並び、前半・中盤・後半と、3名の手揉み師の方が、蒸された茶葉を手で揉んで加工する様子を時系列で見ることができました。お茶の葉は摘まれたあとはすぐに加工しないとどんどん酸化していってしまうため、手を休めることなく作業が進みます。
↓こちらの行程を3パートに分けて加工される流れを見学しました。
一枚の茶葉が、揉まれ、よられ、乾燥し、そして急須の中でお湯に浸りまた一枚の葉っぱに戻ります。🌱
手揉みはとても手間ひまがかかる作業な上、熟練した職人さんでないと、このような綺麗な仕上げのお茶は作ることができません。そのため、現代では手揉みは品評会などで出品されるようなとても品質の良いお茶のみが使われます。
手もみされるに選ばれし最高級の素材の茶は、その中の通り丁寧なハンドプロセスを経て「手もみ茶」という芸術品へと生まれ変わります。手揉み茶は市場で出回るほどの量は生産できないため、狭山など手揉みの伝統技術が継承されているお茶の生産地では茶農家さんなどが直接販売されている場合もあります。(とても高価ですが、お茶好きなら一度は味わってみたい茶です)
保存会の日本茶インストラクターの方が、大さじ一杯程度のぬるま湯で、手揉み茶を淹れてくださいました。もちろん「旨み」の塊の様なエキス茶ですが、今回は牡蠣🦪の様な強い旨みを感じました。もちろん茶葉自体も上質なものですが、手揉みによって茶葉の中のこの味わいが引き出されているのだと感じました。
同会館の東京狭山茶の展示会も昔の製茶機械や道具を見ることができました。現存の実物は一見の価値あり❗️今回の手揉み加工の動画もぜひご覧ください。