狭山園ではAirbnb experience にて、外国人のお客様向けに英語やスペイン語での体験型日本茶のワークショップを開催しています。
今回のゲストはマレーシアから日本に旅行中のMelさんとAngieさん姉妹。
Melさんは普段から仕事場などで、緑茶や抹茶はよく飲んでいるそうで、日本茶にも親しんでいるとのこと。日本に来たのだから、お茶の専門店で日本茶のことを色々知りたい!と狭山園に来てくれました。
これは面白いワークショップになりそうです!
マレーシアはお茶といえば、やはり中国茶がポピュラーなようで、烏龍茶やジャスミン茶をよく飲む人が多いようです。しかし残念ながらレストランでは大きなタンクに作り置きしてある、味わいのない、ただのお湯のようなお茶しかサーブされないので、料理はおいしいけど、それに見合ったおいしいお茶はあまり期待できないそうです。
それに比べて、日本はレストランでもおいしいお茶が飲めるので、何杯もおかわりしてしまうと言っていました。
まずは日本茶の栽培方法による味わいの違いや、加工法について説明します。
太陽を浴びて育つ煎茶や番茶、日光を遮った畑から作られる玉露や抹茶・・。
「同じ日本茶でも栽培方法によって味わいが異なるお茶になるとは面白い!」
「玉露はウマミがあるお茶」
「茎茶や芽茶は初めて知った!マレーシアにはない」
と2人とも興味津々です。
その次に産地別の煎茶三種を飲み比べします。
・火入れ香に独特な特徴をもつ狭山茶ほのか
・静岡掛川産 オーガニック深蒸し茶ひより
・九州、四国、静岡の煎茶を使った前田茶師合組茶
Angieさん、湯飲みに手のひらで蓋をしてお茶の香りを確かめながら味わっています。
なんだか通の人のようです。
それもそのはず、Angieさんコーヒーテイスティングのプロ!日本茶は初心者ながら、するどい五感と洞察力でそれぞれのお茶の特徴をメモしていきます。
狭山茶はしっかりとした渋みや力強い味わい、それに比べて静岡産のひよりはマイルド、合組茶は優しい味わい。と2人ともなかなかいい感想を出してくれます。
最後に合組茶を飲んだMelさんは「・・このお茶は、*かぶせ茶っぽい味わいがある」(*かぶせ茶とは玉露のように被覆栽培してつくる、うまみに特徴のある緑茶)
!!何と前田茶師が合組したお茶に使われている宮崎のかぶせ茶をズバリ見抜きました。
かぶせ茶を知っているのにも驚きですが、わずかな玉露に似た旨みを感じ取ったそうです。
そのあとの利き茶当て体験ではAngieさん全問正解!
Angieさんは、「コーヒーをテイスティングするときは最初に飲んだ時に感じた味のインスピレーションが一番大事なのよ。狭山茶を飲んだときに、ローストチキンのイメージが強かったのよ。だから色々飲んでみても、ローストチキンのお茶は狭山茶だってわかったのよ」
狭山茶独特の火入れ香をローストチキンと表現するとはなんとも独創的です!!
そのあとは急須を使って玄米茶を淹れる体験をしてもらいました。
お湯の温度、茶葉の量、待ち時間に注意して、「回し注ぎ」や「最後のゴールデンドロップ」も忘れずに。
マレーシアには急須のような伝統的なティーポットはないそうで、Melさんはいつもコーヒープレッサーでお茶を抽出して飲んでいるため、実用的でおいしく日本茶が飲める急須をとても気に入ってくれました。
マレーシアは熱帯気候なので、冷茶の作り方や、お茶の保存方法などの質問もたくさん出ました。
高温多湿な場所はお茶の品質が落ちやすいです。
いつもお茶を飲んでいるMelさんも新鮮なお茶と品質が落ちているお茶の味わいや香り、色まで全然違うということを新ためて感じたそうです。
今回はとても勉強熱心なゲストで、マレーシアのお茶事情についても色々聞くことができて楽しかったです。
マレーシアはイスラム教徒はじめ、様々な宗教をバックグラウンドに持っている人が多くいらっしゃいます。宗教によって食べられないものもあるそうですが、ぜひマレーシアの食文化にも日本茶を合わせて楽しんでもらえたらいいと思います。
日本うまれの日本の伝統と文化を代表するお茶を世界中の人たちに紹介できるということは日本人である誇りに思います。
日本に来ている、これから日本に旅行に来る外国人の知人や、友人を誘ってぜひワクワクとおもてなしの日本茶体験を狭山園で是非どうぞ❤︎
#sayamaenexperience #日本茶でおもてなし