2017年、南米コロンビアでSayamaen Japanese Tea S.A.Sを立ち上げ、現在もコロンビア日本茶大使として活動しながら、10年以上日本と海外で日本茶業に関わっています。海外(アメリカ、カナダ、コロンビア及び南米地域)での滞在経験や、現地での日本茶販売やイベント活動を通じ、海外ではどんな風に日本茶が飲まれているのか、実際のところ自分が感じたこと、考えたことをを交えながら記録しています。コロンビアでの茶活動レポート
国際茶業委員会(ITC)によると、2019年の世界全体の茶生産量は614万9600トンに対し、日本茶は8万6300トンで、日本茶比率はなんとたったの1.4%です。
(日本茶輸出促進協議会のリンクもご参照ください。)
その世界の「茶」のなかでも約六割が紅茶、三割緑茶、その他はウーロン茶など。
世界の茶総輸出量180万トンに対し、日本輸出量5万トンで、日本茶の輸出量比率はわずか2.8%。しかも葉っぱのお茶ではなく、抹茶を含む粉末状のお茶がほとんどです。
2021年は過去最高の日本茶輸出量と売上高をマークしていましたが、世界規模で見ると海外で出回ってるお茶の約97%は日本以外で生産されたお茶ってことです。(日本からの輸出先主要国はドイツ、アメリカ、台湾など)
日本で当たり前のように、コンビニでもスーパーでも通販でも簡単に買え、飲まれている「日本産の緑茶」ですが、海外にいるとたったの2.8%しか流通していない日本茶を手に入れることは簡単ではなく、手に入れられたとしても、現地での保存状態が悪く、劣化していたり、フルーツや甘味料で味付けされていたり、販売する国の消費者の嗜好に合わせた”Japanese tea”になっていることも多いです。そのため、正しい淹れ方の知識があり、新鮮な茶葉そのものの旨みや,あまみ、渋み、そして香りを感じられる「日本でいつも飲まれている日本茶」に巡り合うことは奇跡に近いのです。(特にティーバッグやパウダー、液体ではない、急須で飲む葉っぱのお茶)
コロナ流行以前に狭山園の日本茶ワークショップに参加していただいた海外からのお客様も、「一番おいしく、そしてリーズナブルに日本茶が飲めるってほんとに素晴らしい」と感心する方もたくさんいらっしゃいました。でも海外では、こうやって、きちんと正しい日本茶の淹れ方や選び方、味わい方を知らない人がほどんどだから、もったいないとも。(狭山園でのAirbnb Japanese tea Experience レポートもブログに載せています)
日本では年々日本茶(リーフ)の需要や消費が落ちていて、お茶を生産する人や畑も減っています。今まで当たり前に飲まれていた急須で飲むお茶の文化の価値が人々のライフスタイルの変化や嗜好によって変わっているのも事実です。逆に海外では、日本茶の希少性や健康効果の高さ、忙しい現代の生活の中、急須など茶器を使ってゆっくりとお茶を味わうという体験をライフスタイルに取り入れる人も増えてきています。
狭山園は海外へも日本茶をお届けしていますが、国内のみならず海外を含め、日本茶の価値を高め、日本茶を健康やライフルタイル、喫茶の楽しみを伝えていきます。